女性に適したダイエット方法とは?

女性に適したダイエット方法とは?

女性と男性では身体の構造に違いがあり、効果的なダイエットの方法もそれぞれ異なります。せっかくダイエットをするなら、自分に合った方法で効率的にダイエットしたいものです。

そこで今回の記事では、女性におすすめのダイエット方法を解説します。生理周期に合わせたダイエットのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

女性に適したダイエット方法が、男性とは異なる理由

そもそも、女性に適したダイエット方法はなぜ男性向けのダイエット方法と異なるのでしょうか。その理由を2つ紹介します。

身体につく脂肪のタイプ

女性と男性では、身体につきやすい脂肪のタイプが異なります。女性の場合は、皮膚の下に蓄えられる皮下脂肪がつきやすく、男性の場合は、内臓の周りにたまる内臓脂肪がつきやすいとされています。この2タイプの脂肪は違いがあり、内臓脂肪のほうが皮下脂肪よりも落ちやすい傾向にあります。同じ筋トレをしているのに、「彼はすぐにお腹周りが痩せたのに、私には効果が表れない」といった現象が起こるのはこのためです。

さらに、脂肪がつきやすいパーツにも男女差があります。一般的に、男性はお腹などの体幹部に脂肪がつきやすく、女性は脚を中心とした下半身に脂肪がつきやすいといわれています。いわゆる「下半身太り」に悩む女性が多いのもこのためです。

それに加えて女性の場合、加齢にともなって体幹部の体脂肪率が大きく上がることも知られています。「少し前まで細いウエストが自慢だったのに、最近どうもお腹周りが気になる」と、悩む女性は少なくありません。

ホルモンバランス

女性と男性では、ホルモンバランスも大きく異なります。

ホルモンとは、身体を正常に機能させるために分泌される成分のことです。女性ホルモン、男性ホルモンなど100種類以上のホルモンが、私たちの身体でさまざまな働きをしているといわれています。女性ホルモンと男性ホルモンは男女共に分泌されていますが、女性の身体では女性ホルモンが、男性の身体では男性ホルモンがより多く分泌されています。

女性ホルモンであるエストロゲンには、脂肪を蓄えて丸みのある身体を作る機能があります。脂肪を蓄えるとなると「美容の敵」と思いがちですが、決してそうではありません。肌や髪を美しく保つ機能や内臓脂肪を蓄えないようにする機能、骨を丈夫にする機能、動脈硬化を防ぐ機能など美容・健康にとってうれしい機能を持っています。

そして、このエストロゲンの分泌量は、生理周期や年齢とともに変わっていくということを覚えておきましょう。女性のダイエットにおいて大切なのは、こうしたホルモンの働きを理解し、変化と上手につき合うことが大切です。生理周期に合わせたダイエットのコツは、のちほど紹介します。

女性におすすめのダイエット方法

女性におすすめのダイエット方法

ここからは、女性に適したダイエット方法を、食事の摂り方と運動に分けてお伝えします。

食事の摂り方

・一日の摂取カロリー量を知る

ダイエットをするにあたって取り組みたいことは、自身の適正な摂取カロリーを知ることです。なぜなら、「摂取カロリー<消費カロリー」にするのがダイエットの鉄則だからです。

18歳以上の人が一日に必要とする摂取カロリーの推定量は、次の式で計算できます。

推定エネルギー必要量(kcal/日)= 基礎代謝量(kcal/日)× 身体活動レベル

基礎代謝量は18〜29歳の女性で1,110 kcal/日、30〜49歳の女性で1,150 kcal/日、50〜69歳の女性で1,100 kcal/日が目安です。身体活動レベルは、一日をほとんど座って過ごす方は1.50、座って過ごす時間が長いものの通勤・買い物・家事・軽い運動などをしている方は1.75、立ったり移動したりする仕事が多い、または積極的に運動に取り組んでいるという方は2.00の数字を使って計算してください。

一日に必要な摂取カロリー量がわかったら、それを超えないように食事を摂りましょう。手軽に食事のカロリー計算をできるアプリなどもたくさんあるため、有効活用してみてください。ただし、摂取カロリーが少なすぎると筋肉が落ちて基礎代謝量が減り、かえって痩せにくく太りやすい身体になる可能性があるので注意が必要です。

・食べる順番を意識する

カロリー以外に、食べる順番を意識するのも効果的です。おすすめはベジファーストといって、食事の最初に野菜やきのこなど食物繊維の多い食べ物を口にする方法です。

食事によって血糖値が急上昇することで、血糖値を下げる働きのあるインスリンが体内で大量に分泌されます。インスリンは、余った糖を脂肪として蓄える機能も持っています。

野菜やきのこに含まれる食物繊維には、糖の消化・吸収を穏やかにする作用があり、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。つまり、ベジファーストを取り入れることで血糖値の急上昇を防ぎ、その結果インスリンによる脂肪のためこみを抑えられるのです。

・たんばく質やビタミン・ミネラルを意識して摂取する

ダイエット中には、栄養不足に気をつける必要があります。カロリーを抑えようとして栄養不足に陥ると、長期的に見て太りやすい身体になってしまうこともあります。

意識的に摂取したい栄養素として、重要なのがたんばく質です。脂身の少ない肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など、いろいろな食品からたんばく質を摂取するのがポイントです。

また、ビタミンやミネラルは摂取したカロリーをエネルギーに変える機能があるため積極的に摂取してください。

ダイエット中こそ、バランスの取れた食事を心がけてきちんと食べましょう。女性の場合、鉄分や亜鉛が不足しがちなので、レバーや赤身肉、貝類、うなぎ、納豆なども食事に取り入れてみてください。

・間食やお酒を上手に楽しむ

「ダイエット中は間食もお酒も絶対NG!」と意識しすぎると、かえってストレスがたまり、ダイエットに挫折してしまいがちです。食べすぎや飲みすぎはいけませんが、間食やお酒とうまくつき合う方法を知っておくことで、ダイエット中でも息抜きができます。

例えば、小腹が空いたときのために、ポテトチップスではなくナッツの小袋を用意しておくと良いでしょう。どうしても甘いものを口にしたい場合には、比較的栄養価が高いプリンがおすすめです。

お酒は、ビールやワイン、日本酒などの醸造酒よりもウイスキーなど低カロリーな蒸留酒を選びます。炭酸が飲みたいときは、ハイボールもおすすめです。一説に「お酒はダイエットの敵」といわれるのは、おつまみを食べすぎてしまうことも原因の一つです。枝豆など、栄養があってカロリーが低めのおつまみを選ぶようにすると安心です。

運動

食事に加えて運動習慣を取り入れると、より効率的にダイエットを進められます。

消費カロリーが多い運動は、ランニングやサイクリング、ウォーキングなどの有酸素運動です。軽く息が上がる程度の強度で行なうのが有酸素運動のポイントです。

また、筋肉を鍛えると基礎代謝量が上がり、痩せやすい身体になります。筋肉がつくことで重力によってたるみがちな脂肪が引き上げられ、引き締まって見える効果も期待できます。

大きな筋肉を鍛えることが効率的なため、身体のなかで一番大きな大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)を鍛えられる「スクワット」がおすすめです。最初は数分で構いませんので、無理のない範囲で毎日の生活にトレーニングする時間を取り入れてみましょう。

女性のダイエットは、生理周期を把握すると成功に近づく!

女性のダイエットは、生理周期を把握すると成功に近づく!

生理は女性特有の現象です。生理周期にともなってホルモンバランスも変わるため、生理周期を把握するのがダイエットを成功させるポイントです。

生理周期とは

生理初日から次の生理が始まる前日までの期間を、生理周期と呼びます。生理周期の長さには個人差がありますが、通常は25〜38日間の周期とされています。

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、生理周期の間にこれら2つのバランスが変動し、排卵や月経を起こしたり、基礎体温を上下させたりするのです。

各周期に適したダイエット方法

生理周期のうち、生理が終わってから2週間は痩せやすく、そのあと次の生理がくるまでの2週間は痩せにくい傾向にあります。それぞれの時期で、以下のようなポイントに気をつけてみましょう。

・生理後

生理が終わってから2週間はエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増え、精神的にも安定しているため食欲もコントロールしやすくなります。特に、生理後1週間の間で集中して運動に取り組みましょう。有酸素運動と筋トレを併用して脂肪を燃焼させつつ、長期的にも痩せやすい身体を作るのがおすすめです。

・生理前

生理前はプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増え、妊娠に備えて栄養や水分を身体に蓄えるほか、精神的にも不安定になる傾向があります。

この時期に大切なのは、ストレスをためないことです。運動がストレス解消手段になるなら問題ありませんが、運動する気分になれない場合は無理に継続しようとせず、ストレッチやヨガ、軽いウォーキングなどに可能な範囲で取り組むようにしましょう。

生理前は便秘やむくみに悩まされやすい時期でもあるので、食物繊維や乳酸菌を意識して摂取するのもおすすめです。

・生理中

生理中は無理して運動せず、きちんとした食事を摂ることにフォーカスしましょう。バランスの取れた献立で身体に必要な栄養をしっかりと摂取してください。

参考記事:生理周期を理解することがダイエットの鍵!生理とダイエットの関係

まとめ

女性と男性は、身体はもちろんホルモンバランスも異なるため、効果的なダイエット方法に違いがあります。女性は、女性の身体に適したダイエット方法を意識して取り入れることが重要です。

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河村 優子

監修者

河村 優子

(かわむら ゆうこ)

アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。

保有資格:
・日本抗加齢医学会専門医
・日本麻酔科学会専門医
・日本レーザー医学会認定医 ほか

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