2022.5.23
空腹を上手に乗り切るには?ダイエット中に食べてよいものと空腹を紛らわす方法を紹介
「今年こそは絶対に痩せる」と意気込んでいたのに、「空腹に耐えきれずにドカ食いしてしまった」という経験はないでしょうか。ダイエット中は、好きなものを自由に食べられないことでストレスを溜めこんでしまう方も少なくありません。
そこで今回は、ダイエット中の空腹との付き合い方について考えていきます。ダイエット中の空腹時に食べてもよいもの、気を付けたい注意点も紹介しますので、なかなか体重が減らずに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
空腹を我慢するのはよくない
痩せたいという気持ちから空腹を我慢しても、ダイエットはうまくいかないケースが多いです。無理に空腹を我慢すると、体にどのような変化が起きるのでしょうか。
次の食事で血糖値が上がりやすくなり、余分に栄養を蓄積してしまう
ダイエット中に無理な食事制限をすると、体が空腹を感じて低血糖状態になります。このとき、本来必要となるエネルギーが足りないため、人間の体は次の食事でしっかりと栄養を蓄えようとします。
「空腹を我慢した結果、ストレスで暴食してしまった」という話は珍しいことではありません。この場合、空腹によって糖質や脂質を吸収しやすい状態になっているときに、いつも以上に栄養を摂取してしまうため、せっかくの努力も水の泡となります。
ストレスによる悪影響が生じる場合がある
人間がストレスを感じたときには、副腎皮質からコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されます。このコルチゾールが過剰に分泌されると、成長ホルモンの働きが阻害される要因となるほか、代謝が下がって脂肪を燃焼しづらくなるといわれています。また、ストレスから回復するために甘いものを食べたくなる心理が働き、ダイエットの妨げとなることもあります。
便秘になりやすくなる
ダイエット中の食事制限で、食物繊維や水分、適度な脂質などの排便に必要な栄養素が不足すると、便秘になりやすくなります。便をスムーズに排出できなければ、代謝が下がって脂肪燃焼の効果が薄れるほか、体調不良やストレスにもつながるため注意が必要です。
「空腹は我慢すべきもの」という認識をあらためて、一日に必要な栄養素がどれくらいなのか正しく理解することが大切です。
筋肉量が減少する
ダイエット効果を高めるためには、筋肉量を増やして代謝を上げることが重要です。しかし、空腹を我慢し続けるとエネルギーが足りなくなり、筋肉が分解されてしまいます。
空腹を我慢して食事制限をすれば一時的に体重は落ちますが、筋肉量が減少してしまうと結果的に痩せにくくなります。ダイエット中は、筋肉を減少させないように過不足なく食事をするようにしましょう。
ダイエット中の空腹時に食べてよいもの
空腹を極端に我慢する必要はないので、食事の内容をダイエット向けに変えていくとよいでしょう。ここでは、ダイエット中の空腹時におすすめの食品を紹介します。
糖質量が少ないもの(低GI食品)
糖質は穀類やイモ類、果物、砂糖等に含まれる栄養素で、体内でエネルギー源として使用されます。糖質を摂取すると血糖値の急上昇が起こり脂肪の蓄積につながるため、ダイエット中は糖質の摂り過ぎに注意したほうがよいといわれています。
しかし、極端な糖質制限は健康に悪影響をおよぼす場合もあるため、避けるのが無難です。脂肪の蓄積を防ぐなら、糖質量が少なめで血糖値が上がりにくい「低GI食品」を選ぶとよいでしょう。
食物繊維が含まれているもの
食物繊維は野菜や海藻類、きのこ類等に多く含まれています。
食物繊維の含有量が多い食品は低カロリーのものが多く、満腹感を得やすいのがメリットです。血糖値のが上がりにくく、腸内環境を整える働きもあります。
食物繊維には2種類あり、野菜や穀物、豆類等に含まれる「不溶性食物繊維」と果物や昆布、わかめ等に含まれる「水溶性食物繊維」に分類されます。ダイエット中は不溶性食物繊維の多い野菜を意識的に食べる方が多いですが、水溶性食物繊維については忘れられがちです。各食物繊維の効果効能の違いを理解したうえで、どちらもバランスよく摂取しましょう。
たんぱく質が豊富なもの
たんぱく質は、脂質や糖質(炭水化物)とあわせて「三大栄養素」の一つとされています。たんぱく質は筋肉を作る材料として使用されるため、ダイエット中もしっかり摂取すると、筋肉量が増えて基礎代謝量が上がるため、カロリー消費量の増大が期待できるでしょう。
たんぱく質は肉類や魚介類、乳製品、卵類、大豆製品等に含まれています。食事メニューを考える時間がない方は、プロテインで補給するのも一つの方法です。
参考記事:たんぱく質の摂取はダイエットに効果的!たんぱく質の摂り方や注意点について
ダイエット中の空腹時に気を付けたいこと!
ダイエット中にお腹が空いたとき、食べるべきか我慢するべきか迷うケースも多いかと思います。そのような際には、以下のポイントを意識して判断するようにしましょう。
「何となくお腹が空いた(偽の食欲)」で食事をしない
人間の食欲には、「本当の食欲」「偽の食欲」の2種類があるといわれています。
食事量が不足してエネルギーが足りていない場合は、「本当の食欲」と判断します。本当の食欲を感じているときは、体調の悪化を防ぐためにも、必要な食事量を確保することが重要です。
一方、「偽の食欲」とは、生命の活動とは別のきっかけで起こる食欲を指します。
例えば、「つい仕事帰りにデザートをたくさん買ってしまう」「ストレスが溜まると食べ放題に行きたくなる」というような行動は、偽の食欲が原因である場合が多いです。
食欲を感じたときには、それが「本当の食欲」なのか「偽の食欲」なのかを一度考えてみましょう。
食べてOKなもの・NGなものを知る
ダイエット中は、食べてもよい食品と控えた方がよい食品を見極めることが大切です。糖質や脂質の摂り過ぎに気を付けながら、高たんぱく・低糖質・低脂質の食品を選びましょう。ミネラルやビタミン、食物繊維の摂取も必要です。
ただし、一般的に健康的といわれている食品であっても、食べ過ぎには十分に気を付けてください。栄養素のバランスを意識しながら、毎日の食事メニューを考えていきましょう。
空腹をごまかさない
空腹の辛さをやり過ごすために、運動や睡眠でごまかす方もいます。しかし前述の通り、空腹を我慢すると飢餓状態となり、栄養の吸収率が高くなってしまいます。
健康的に痩せたいのであれば、空腹を我慢し過ぎないようにしましょう。3食以外で空腹を感じたときには、低GIの間食を選ぶのがおすすめです。
空腹にならないようにする食事のとり方
健康的に痩せたいなら、食事のとり方を工夫することが大切です。ダイエット中の空腹感に悩まされないためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
食べる順番を工夫する
空腹状態で最初に糖質(炭水化物)の多い食べ物を口にすると、血糖値が急上昇し過剰にインスリン(肥満ホルモン)が分泌されます。インスリンの過剰分泌は脂肪を体に蓄積しやすくするため、食事の順番は非常に重要です。
食事の際には糖質の多い食品(ご飯、パン等)をあとにして、野菜から食べることをおすすめします。野菜を先に食べれば満腹感を得やすくなるだけではなく、糖質、脂質の吸収が抑えられ、血糖値の急上昇を抑制できるでしょう。
ただし、体質によっても最適な食事の順番は異なります。例えば、遺伝子解析により「筋肉リスク」と呼ばれる体質であると判明した場合は、たんぱく質を最初に摂取するのがおすすめです。
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ゆっくりよく噛んで食べる
早食いをする人は、ゆっくり食べる人よりも太りやすいため注意が必要です。食事を始めてから満腹感を得られるまでには約20分かかりますが、早食いの人は20分以内に食べ終わってしまうことがあります。20分以内に食べ終わってしまうと満腹感が得られる前に食べ終わることになるため、間食などが増えて必要以上に食べてしまう場合があります。
さらに、早食いをする人はインスリンの分泌が増えがちで、血糖値の急上昇が起きやすいという問題もあります。
一方、食べるのがゆっくりな人は、時間をかけてよく噛んでいるうちに食欲を抑制するヒスタミンの分泌が増えます。その結果、脳の満腹中枢が早めに刺激されるため、食べ過ぎを抑えられるのです。
毎日同じ時間帯に食事をする
人間の体には「体内時計」が存在します。体重を減らしたいなら、生活リズムを整えて朝昼晩の同じ時間帯に食事をすることが理想的です。規則正しい生活を続けることで、体にかかるストレスが少なくなり、痩せやすい体質を維持しやすくなります。
実は体内時計は約25時間で設定されているため、実際の一日の長さとのズレが生じています。毎日の朝食で体内時計のサイクルをリセットするようにしましょう。
腹八分目に抑える
食事をする際には自分が満足するまで食べるのではなく、腹八分目に抑えることを心がけてください。
食べ始めて満腹中枢が刺激されるまで約20分かかるため、食べ足りないと感じた場合も少し様子を見てみるのがおすすめです。一度食事から離れて気をそらすことで、腹八分目でも十分に満足できるかもしれません。
まとめ
「空腹はダイエットの敵」と思われがちですが、無理に我慢する必要はありません。空腹と上手に付き合いながら、ダイエットと食事の両方を楽しんでください。
食事の管理とあわせてジムやエステサロンに通うことで、理想のボディラインに近づくことができるでしょう。しかし、パーソナルジムや高級エステサロンを何度も利用するとなると、利用料の負担が気になります。お金を気にせず通いたいなら、セルフエステのBODY ARCHIがおすすめです。
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監修者
井澤 綾華
(いざわ あやか)
北海道で4代続く農園を運営する傍ら、料理研究家として、レシピ開発、料理教室、栄養学の情報発信や各種講演会などで精力的に活動中。
保有資格:
・管理栄養士
・栄養教諭第一種